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ミャンマー 報道の自由、遠い道のり 新法案、厳しい検閲どこまで緩和

Written By Unknown on Thursday, March 8, 2012 | 12:47 AM


3月8日(木)7時55分配信
民主化が進むミャンマーで、民主主義の根幹ともいえる「報道の自由」が、どこまで許容されることになるのか-。現地などのジャーナリストの間では、政府が起草した新たな報道法案をめぐる論議が活発だ。一方、ミャンマー国外へ逃れ、反政府系メディアを運営する亡命ジャーナリストたちは祖国への帰国と将来の支局開設も視野に、政府の対応を注視している。(ヤンゴン 青木伸行)

 新報道法案は、メディアの“お目付け役”である情報省の報道検閲登録局(PSRD)が起草した。詳細は明らかにされていないが、PSRDのティン・スウェ局長がその一端を、ヤンゴン市内で1月30、31の両日に開かれた会合で、つまびらかにしている。

 会合に出席したジャーナリストによると、局長は席上、新法案について(1)メディアの活動を厳しく規制し罰則を規定した、1962年の印刷・出版登録法を事実上、改訂する(2)事前検閲を廃止する(3)メディアの権利、義務、倫理、罰則などを規定する-と説明した。

 これに対し、ジャーナリスト側からは「法案はシンガポールやマレーシア、ベトナムと同じようなものだ。インドのメディアのような自由な活動はできず、多くを期待できない」などの見解が表明された。

 「ビルマメディア協会」(BMA)や「国際ジャーナリスト連盟」(IFJ)も「報道の自由が保障されない恐れがある。印刷・出版登録法を廃止すべきだ」と疑いの目を向ける。

 ◆和平交渉○ 戦闘×

 昨年6月、政府は芸術やスポーツ、ビジネスなど5分野の定期刊行物の事前検閲を廃止した。対象の刊行物は約200。政治などの約100の刊行物は依然、事前検閲を受けている。

 検閲の実態はどうなっているのだろう。ヤンゴン市内で、とある週刊紙の編集者が語った。

 「30ページのうち10%が、50人の検閲官の手で楔(くさび)を打ち込まれている感じだ。例えば、政府と少数民族の和平協議に関する記事は大丈夫。だが、両者間の戦闘の記事や避難民の写真、1988年の民主化要求運動の元学生活動家や、2007年の僧侶によるデモの関係者などの記事はタブーだ」

 そして、「ビルマ(ミャンマー)のメディアはなお、世界で最も抑圧されている。数カ月や数年で自由がもたらされるとは思えない」と言う。パリを拠点とする「国境なき記者団」によると、昨年の世界の自由報道のランキングでミャンマーは、179カ国中169位となっている。

 「ビルマ国内で発刊することが夢だ」。そう話すのは、タイを拠点とする反政府系「イラワジ」誌のアウン・ゾー編集長である。しかしタイに逃れた多くの亡命ジャーナリストが、帰国はまだ危険を伴うため当面はタイに残る意向という。

 ◆記者教育が重要課題

 ノルウェーのオスロを拠点とし、亡命ジャーナリストらで組織する「ビルマ民主の声」のメンバーは最近、ミャンマー政府からビザを発給され、情報省の当局者らと会った。その際、情報省側が亡命ジャーナリストに、ミャンマー国内の出来事を報道するためのビザを発給することで合意したという。だが、支局開設までには「なお多くの段階がある」(「ビルマ民主の声」関係者)としている。

 ミャンマー国内で外国メディアのために働く女性記者は「ミャンマーのジャーナリズムは弱く、若い記者も多い。ジャーナリストとしての教育を受けておらず、国際的な基準に照らすとレベルはかなり低い」と語る。報道の自由推進のうえでも、記者教育は重要な課題となっている。
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