＜ミャンマー＞スーチーさんが出馬の選挙区を初めて訪問

 2月11日(土)19時55分配信

【マニラ矢野純一】ミャンマーの民主化運動指導者、アウンサンスーチーさんが１１日、４月１日に行われる国会下院補選で自ら出馬するヤンゴン管区コームー選挙区を初めて訪問した。沿道にはスーチーさんの写真を掲げた数千人の支持者が集まり、高い人気を示した。

　ロイター通信などによると、スーチーさんは民衆を前に「我々は国民のために、皆さんの力を必要としているのです」と話し、支持を呼びかけた。スーチーさんは、自ら率いる「国民民主連盟（ＮＬＤ）」が準備した約３０台の車列の中、サンルーフが付いた車から身を乗り出して、コームー地区を行進。行く先々で大勢の住民が車を囲み、大渋滞が起きたという。

　コームー選挙区は同国最大の都市ヤンゴンから南へ約５０キロに位置し、０８年のサイクロン「ナルギス」では大きな被害を受けた。同選挙区からの出馬は、被災者に寄り添う姿勢を示すとともに、サイクロン後の軍政の支援活動の遅れなど対応に反発を持つ住民の票を取り込み、確実に当選を果たすのが狙いとみられる。

　スーチーさんの遊説中に当局の制止など規制は見られなかった。スーチーさんの遊説は、軍政にとっては、国内外に民主化をアピールする格好の機会になっているとの見方もある。