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技術移転・人材育成に日本の強み 田中JICAヤンゴン事務所長に聞く

Written By Ngakawa Kyaw on Sunday, July 15, 2012 | 3:54 AM

田中雅彦JICAヤンゴン事務所長(写真:産経新聞)

7月15日(日)14時47分配信

日本のミャンマー支援の最前線である国際協力機構(JICA)ヤンゴン事務所。JICA事務所長会議で一時帰国した田中雅彦所長(52)に、ミャンマーの現状と日本の対応を聞いた。

 --2011年9月に赴任したころからミャンマーの改革・民主化が急速に進んだ

 「私の着任直前にテインセイン大統領がアウン・サン・スー・チーさんと会って、クリントン米国務長官がミャンマーを訪れた。そして日本の経済産業相、外務相の訪問から4月の日ミャンマー首脳会談へと続いた。こちらも、ずっと走り続けている感じだ」

 --人々の様子はどうか

 「表情がすごく明るくなった。さらに政治的発言も自由になり、政府の人でも話していて『あの大臣はだめだ』などと言うようになってきた」

■日本も最速支援

 --ミャンマー支援や投資のメニューはできたが、とかく日本は実行が遅いといわれる。進(しん)捗(ちょく)状況はどうか

 「これまでの他国での日本の政府開発援助(ODA)に比べると、ミャンマー支援のスピードは最速で、記録的だ。無償援助の金額も今年度は80億~100億円規模となり、(日本の援助相手国としては)ミャンマーが世界一となるだろう。イラク復興支援と同じような速さだ」

 --日本としては画期的だ

 「米国の経済制裁が続いており、ミャンマーには米国だけでなく世界銀行やアジア開発銀行(ADB)がまだ入ってきていない。本来なら日本は先頭に立ってもよかった。ところが、日本のライバルはこうした国際機関でなく、韓国や中国だ。FS(事業可能性調査)もコンプライアンス(法令順守)もない。そこと勝負しなければならない」

 --ミャンマー政府は、日本の事情がわかっているのか

 「ミャンマー側は、15年の総選挙までに改革の成果を目に見える形で出したい。できることなら日本にやってもらいたいが、(日本がミャンマー側の)スピード感について来られないなら、(他国に頼むという)オプションがあるというわけだ」

 --そう言って支援国をてんびんにかけて、決めたら丸投げというのがこれまでのミャンマー政府のやり方だ

 「丸投げしては失敗している。(南部の)ダウェイ(経済特区)開発がその典型例だ。しかし、国会が開かれたことで変わってきている。外国からの借款を受けるには、国会承認が必要となり、政府も説明責任を気にするようになった。中国からの借款も例外ではない。今後は一段と透明性が求められることになる」

■少数民族対策がカギ

 --JICAは、インフラ整備だけでなく、地方での貧困削減や保健医療支援などに力を入れている

 「先週、ミャンマー側に日本政府としての少数民族対策を説明した。円借款を使って道路や鉄道を建設するとともに、停戦協定を結んだカレン族やモン族などが居住地に戻ってくるための職業訓練や支援だ。これまで国軍と少数民族軍は何度も停戦合意をしているが、仕事がなく生活が改善されないため、合意がほごになってしまった。少数民族の生活向上は、国民和解を実現し、維持するために不可欠だ」

 --ミャンマーは単なる労働集約型産業でなく、技術移転が行われる産業を求めている

 「そこに日本の強みがある。例えば中国は、シャン州の農民から農作物を買いたたき、持ち帰るだけだ。何かあればすぐに撤退する。日本は腰を据えて技術を教え、人を育てていくと説明している」

 --日ミャンマー首脳会談で合意した人材支援の取り組みは進んでいるか

 「ミャンマー商工会議所の協力でヤンゴンに『ミャンマー日本人材センター』を設ける。人材育成管理、事業戦略・マーケティング、財務・会計、事業マネジメントなどのビジネス研修を提供していく。年内には業務を開始する」

 --ミャンマーの人々とつきあう上で気をつけていることは

 「HONEST(正直、誠実)であることだ。援助も実行までは遅くとも、約束したものは必ず行う。15年の選挙で政権が変わってもミャンマーと日本の関係は続いていく。中国や韓国と違い、長期的視点で進んでいくことが日本への信頼につながると思う」


(編集委員 宮野弘之)
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