6月19日20時35分
今年もまた拘束下の誕生日--。ノーベル平和賞受賞者のミャンマー民主化運動指導者、アウンサンスーチーさんが19日、65歳の誕生日を迎えた。
昨年5月に自宅に侵入した米国人男性と無断で接触したとして国家防御法違反罪に問われ、自宅軟禁処分中だ。AP通信によると、支持者300人以上が19日、ヤンゴン市内に集まり、スーチーさんの早期解放とミャンマーの民主化実現を祈った。
スーチーさんにとって過去20年で15回目の拘束下の誕生日。ミャンマー軍事政権は今年秋、スーチーさん率いる野党「国民民主連盟」(NLD)が圧勝した90年以来となる、20年ぶりの総選挙を予定する。政権はNLDに対し、選挙に参加するには指導者のスーチーさんを除名せよとの厳しい踏み絵を突き付け、NLDはスーチーさん自身の意向をくむ形で選挙ボイコットを決定。5月に解党処分となった。
しかしNLD内部には、民主化を望む国民の受け皿となるためにも選挙に参加すべきだとの声があり、一部が分派して新党を結成し選挙参加準備を進めている。スーチーさんはこの動きを批判し、これまでスーチーさんの下に団結してきた民主化勢力は事実上分裂しつつある。
軍事政権は総選挙とそれに続く民政移管後も、政権を自身の強い影響下に置くことを最大の目標としている。意地を通してNLDの選挙不参加を決めたスーチーさんが、今後の「民主化プロセス」で徹底的に蚊帳の外に置かれるのは確実だ。来年の誕生日をスーチーさんが、どこで、誰と祝うのか。スーチーさんの置かれた立場は厳しい。
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