8月30日(月)
11月7日に行われるミャンマー総選挙の立候補者名簿の提出が30日に締め切られる。議席を独占する狙いで軍政幹部がそろって軍を離れ、軍の影響力を残したまま「民政」への移行を進めるのに対し、民主化を掲げる野党各党は候補者や資金集めが難航。
民主化勢力内での足並みの乱れも表面化しており、議席獲得は厳しい状況だ。軍政与党の圧勝が確実視される。
ミャンマー軍政筋は29日、軍政トップのタン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長が軍最高司令官の地位を降り、後任にトゥラ・ミン・アウン軍務局長が就いたことを明らかにした。ただ、タン・シュエ氏はSPDC議長にとどまり同国トップの地位は変わらない。選挙後には、新設される国防安全保障評議会(NDSC)の議長に就任し、軍、政府をすべて統括するとみられる。
すでにテイン・セイン首相以下、閣僚はすべて軍籍を離れ、文民となって選挙への出馬を決めている。これは、新憲法では議席の25%を軍人に割り当てているが、元軍人は含まれないため、軍人と、文民となった元軍人とで議席を独占することが狙いだ。
一方、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんは、解党した国民民主連盟(NLD)以外の政党支持に消極的とされ、NLDに代わる新党の国民民主勢力(NDF)をはじめ、反軍政を掲げる各党は苦戦を強いられている。
今回の選挙は下院・人民議会330、上院・国民議会168、地方議会689の計1187議席を争うが、投票日の発表から届け出まで半月足らずだったこともあり、候補者探しは難航。NDFの立候補予定者は国会、地方議会を含め約100人だけだ。平均年収に匹敵する1人500米ドル(約4万3千円)の供託金集めも容易ではない。
NDFは選挙が迫れば、スー・チーさんから支持を得られるものと予想し、金銭面でもNLD支持者からの支援を期待していた。しかし、スー・チーさんの側近のニャン・ウイン氏は25日、自宅軟禁中のスー・チーさんが「NLD支持者は他党に投票しなくてもいい」と発言したと述べた。
今回登録した42政党のうち民主派勢力はNDFのほかミャンマー民主党(DP)や連邦民主党(UDP)などにすぎない。各党は候補者が競合しないよう選挙協力を進める考えだが、民主化勢力は厳しい状況におかれている。
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
0 comments:
Post a Comment